祖母の手紙 (たまにはこんな話。)

わたしの父は42歳という若さで亡くなったのだが、その母(私の祖母)も48才という若さで亡くなっている。だからわたしは当然父方の祖母を知らないわけだが、最近伯母から「あなたはおばあちゃんにそっくり」と言われるようになり、まーそりゃばあちゃんだから似てるわなーと思いつつどんな人だったんだろうと思いをはせてみることにした(唐突)

そこで父の残りわずかになった遺品・・・というか引越しのときに捨てられずとっておいた箱があり、特に中身も気にせずそのままにしておいたのだが、何かあるかもしれないとふと思いたって箱の中をのぞいてみた。すると父がたぶん大事にとっていたのであろう手紙が数通出てきたのである。差出人は祖母、あて先は当時静岡の独身寮にいた父あてである。

18歳で一人静岡に就職していった父へ

「風邪などひいていませんか。元気でやっていますか。あなたは兄弟(7人兄弟)のなかでも一番心根が優しいので手元から離したくなかったです。あなたが選んだことだから精一杯がんばりなさい。○○子(父の妹)も兄ちゃんがいなくて毎日さみしいけど兄ちゃんが帰ってくるまでお勉強がんばるといって最近は宿題をがんばっているようですよ。元気でがんばってください。たまには便りをよこしてください」

カタカナ交じりのつたない文字でびっしりと子に対する思いを書き綴ってあった。なんともいえない感情がわきあがる。わたしの知らない祖母、わたしの知らない父の姿が手紙の向こうから見えてくるようだった。

「あなたはおばあちゃんにそっくり」と言われたことが本当に嬉しかった。そして手紙の束を見て、手紙を書くのが好きなのもばあちゃん似なのかなぁと思いました。文は下手だが、手紙を書くのが大好きだった自分を最近忘れていた。うん。誰かに手紙を書いてみよう。ばあちゃんはこんな孫をどう思ってくれるだろうかねぇ〜。